373. なぜ神様は苦痛を許されるのか
なぜ神様は苦痛を許されるのか
2015年6月1日
「感謝する心は、より大きな祝福の扉を開く。どんどん、さらに大きな祝福の扉を開くのだ。感謝とともに力が来て、力はあなた自身だけでなく、他の人を縛っていた束縛も解いてくれるのだ。私たちの生きる道で、苦い根を感じるなら、そこには束縛があるのだ。その苦い根を取り除いてほしい。そうすれば、癒しが起こるだろう。」(訳者の注:英語原文でBitterは、霊的に解釈する場合、状況によって「つらい」「毒のある」「傷つける」「いやな」「不快な」「激しい」などと解釈することができます。これらは全て、主が私たちに与え、望んでおられる心である平安と甘美さと愛とは、反対側にあるものです。ここでは「苦い」あるいは「つらい」と解釈しましたが、もう少し柔軟に文脈を理解していただけると幸いです。)
「クレア、私が人々の人生の中に働きかけながら見ると、苦い魂を持った人々があまりにも多いのだ。霊的な人生に起こる出来事を彼らが理解できないから、彼らは私を責めるようになり、苦い魂になってしまうのだ。最終的に私が悪い出来事が起きないように防ぐことができたのは事実だ。しかし、起こる出来事には理由があって起こるのだというのも事実だ。人間の精神の中にある理性はこれを測り知ることはできない。例えば、もし彼らの運命が意図した通りにそのまま実現していたなら、人生が地獄で終わっていたであろう人々がいるからだ。しかし、私が介入したから、彼らの人生の旅路が完全に変わったのだ。彼らがこのような事実を知らないから、苦い魂になってしまうのだ。」
「しかし、その苦い心が、彼らをやはり地獄へ連れていくことはないでしょうか?」
「介入する人がいなければ、そうなることがある。しかし、私は文字通り天国と地を動かして、彼らがこれまで歩んできた道から、あるべき道へ渡って来るようにするのだ。そのあるべき道は彼らの人生の態度全体を変える道であり、非常に多くの場合、このことは彼らの人生の最期の瞬間に果たされ、それは彼らにとって最後の機会なのだ。私がもう少し早く試さなかったわけではない。ある者たちは心がとても頑なで頑固なため、死に直面して初めて自分たちの過ちに気づく。」
「おお、私の愛する者たちよ、数えきれないほど何度も、さらに悪い出来事があなたたちの前に置かれていて、私があなたたちに代わって敵に立ち向かってきたのだ。あなたたちは私と一緒に歩まず、私を知らず、しかも私を知ろうともしなかったのに、私はどんな場合でもあなたたちを保護してきたのだ。あなたたちが私の法に従って生き、私を愛し、私に仕える時、あなたたちは安全な囲いの中で生きることになる。しかし、あなたたちがその囲いを壊して荒れ野に出るなら、それが私の手を縛ることになる。だが、たとえそうであっても、私はあなたたちを愛している。あなたたちがしていることをあなたたち自身が知らないと私が知っているから、私はあなたたちを保護するために、私の心を和らげ、私の基準を譲歩するのだ。毎年、私があなたたちの利己的で盲目な道からあなたたちを引き返させようと近づくが、あなたたちは毎回私を無視して、自分たちが望む道を喜んで駆け回っている。」
「そして、あなたたちは人生の終着点に達し、これまでの人生を考え始める。間違いを振り返りながら、いつか死が迫り、結局はどこで終わるのかを考える。しかもその時でさえも、あなたたちは他の人が警告したことをあなたたちの理性で考え、拒否しながら、様々な宗教を選んで、それがあなたたちの道だと言う。だが、夜の静寂の中に悪魔が現れ、それが真理なのかとからかい始めると、あなたたちは訝しむようになる。」
「ああ、本当にあなたたちの気質を変えようと私が『非常に』努力する。なぜなら、あなたたちのその気質があなたたちをどこへ導くのか、そして、結局は私があなたたちに再び会えなくなるということを、私が知っているからだ。私はあなたたちによって非常に悲しみ、地獄であなたたちが泣き叫ぶ声を聞くことにはなるだろうが、私ができることは何もないだろう。あなたたちの心を私のもとへ立ち返らせるため、私が全てを行ったにもかかわらず、あなたたちが下した永遠に関する決定については、私もどうすることもできないのだ。」
「そして、私を知っているあなたたちに言いたいことがある。今こそが、あなたたちの心の中にどんな苦い心があるのか、あるいは心の洞窟の中に隠されたどんな苦い心の水たまりがあるのか、あなたたちの心を点検し、よく見る時だと私は言いたい。あなたたちが私を許せない何か理由があるのか?あなたたちが私を許したと言う何かがあるのか?未だに、私があなたたちを非常に不公平に扱ったと心の中に悔しさを抱いているのか?」
「主よ、私はいくつかの問題で困難を経験しています。まさに私が生まれた家庭がその一つです。」
「私の愛する者よ。私はその点を知っていて、あなたの両親がそれほど愚かな決定を下したことを非常に残念に思う。はっきり言うが、あなたの両親をどうすることもできなかったし、あなたの両親が結局下すことになる選択を、私は知っていたのだ。そして、私があなたをそのような家庭に送ったことを謝る。だが、あなたがここへ来れば、あなたがその点について私に感謝するだろうと私は言える。」
「主よ、今になってですが、私の心からその点を主へ感謝いたします。はい、今になってですが、主が私の両親を通して私に与えてくださったものを見ると、それらが全て悪いものばかりではなかったのです。そして、結局は主が私を見つけ出し、勝利し、救ってくださいました。ですから、私がどんな不平を言うでしょうか?私が生きてきた方法では、私は地獄へ行くことになっていたでしょう。」
「私の愛する者よ。あなたが言うことは全て事実だ。しかし、あなたが生まれたその深く深い穴から、あなたがどれほど遠く恵みの梯子を上ってきたかを見なさい。あなたがどうやって私の手を取り、私と共に栄光の王国へ上ってきたかを見なさい。これは本当に大きく喜ぶべきことだ。」
「これは非常に驚くべきことであり、主が私のために選んでくださったことについて、私は本当に達成感と幸福感を感じます。」
「ああ、だが、それは始まりに過ぎない。私が理由なく栄光から栄光へと言わなかったのだ。」
「ああ、私の子らよ。あなたたちが闇の王国で打ち勝ったことを、私の観点から見ることができるならいいのだが。あなたたちが打ち勝った驚くべき障害物、権力、支配、そして敵を見ることができるのなら、あなたたちはとても感謝し、幸せで、満足するだろう。しかし、ようやくあなたたちが私と一緒にいる時にこそ、あなたたちが成し遂げた大きな勝利を、私の観点から見ることができるようになるだろう。」
「この時点で、いまだ最も重要なのは、あなたたちが心の小さな隙間まで、全て探して、あなたたち自身を把握することなのだ。私が許したことのために、あなたたちの心に、いまだ苦い気持ちがあるか探してみてほしい。それらに対してさえも、あなたたちは私を信頼できるか?私があなたたちの人生で許したことが、最善であったと信じられるか?あなたたちが私を知り、私の本質を知り、あなたたちのためなら残酷な殺され方さえも厭わなかった私の愛を知っているのだから、あなたたちがこのことを知っているのだから、私があなたたちの人生に与える全ての良いことと、悪いことについて私に感謝できるか?」
「今夜、私たちが話しながら、私はこの恵みを伝えている。そうなのだ、この世の知恵ではなく、最も高い所、天国から来る知恵を伝えているのだ。私が許したことと許さなかったこと、私が与えたことと与えなかったこと、私が奪い、決して戻さなかったことについて、あなたたちが私に感謝できるようにする知恵と恵みなのだ。あらゆること、つまり良いことも悪いことも、目的があり、偉大な善を達成し、またある場合には地を平らにし、負債を帳消しにして、あなたたち自身の決定によって地獄に閉じ込められることを免れたことを知るだろう。」
「私は以前、クレアにこの点について言ったことがある。非常に多くの魂が、惨めに生まれ、あまりにも早く死ぬ。彼らはそのような方法でこの地に生まれ、そのような方法で苦しむことを決めたのだ。なぜなら、彼らは人間たちの罪から救われることを切望したため、そのような決定をしたのだ。天国で救われた者たちの中に存在するという、その完全な意味を、今この瞬間、あなたたちは完全に理解することはできない。」
「主よ、あなたは素晴らしく意思疎通をされるお方なので、私たちが理解できるように、はっきりと助けてください。一体なぜ、一人の魂がエイズで死ぬ運命に生まれ、レイプされ、殺される運命で生まれるのか。主よ、どうか、私たちが理解できる方法で、話してください。」
「クレア、とても深い質問をするのだな。あなたが理解できるように説明してみよう。あなたの論理的な考えでは、これを理解できないだろう。私があなたに以前言ったように、あなたの知性と傲慢さが邪魔をするのだな、私の愛する者よ。」
「そうですか。すみません。」
「私はあなたが考えていることを見て聞いている。『私がこの部分をきちんと理解できないのなら、ただ消してしまえばいい。』とは、恥ずかしくないのか!それなのにあなたの信仰は?それはどこへ行ってしまったのだ?」
「主を信じます。私の信仰のなさを助けてください。」
「愛するクレア、私にできないことはない。しかし、あなたは私が見るように見ることができないため、多くのことがあなたの理解を超えている。あなたは、いまだ濃いガラスを通して、かすかに見ているのだ。」
「主よ、結局、私たちに話してくださらないということなのでしょうか?」
「そのように考えるとは、あなたを少し叱らなければならないな。」
「ああ、そうしないでください。私が理解できるところへ私を連れてきてください。」
「チョコレートバーの中に?」
「どうか、人々に私がどれほどお粗末であるか話さないでください。」
「ではいいだろう。地面をゆっくり這いずり回っている一匹の小さな虫、テントウムシを想像してみなさい。さて、近づいて来て、その小さな虫を捕まえる一羽の鳥を想像してみなさい。」
「はい、テントウムシとカラスを想像しています。」
「いいだろう。さて、そのテントウムシが持っている観点を想像してみて、それからカラスが持っている観点を想像してみなさい。」
「類似点がありません!」
「その通りだ。鳥がテントウムシをくわえて飛び去ってしまうまでは、類似点はない。その時に初めて、テントウムシはカラスが見るように見ることができるのだ。」
「その通りです。」
「それが二者の認識範囲の違いなのだ。」
「考えているところです。」
「何を言っているのだ!あなたが尋ねておきながら、今その答えを知りたくないというのか?」
「主よ、主は私の状態をご存知です。」
「疑い深いトマスよ、悲しいことに、そうなのだな。」
「わかりました。でもこれが、主の弱々しい花嫁を扱われる方法なのですか?」
「これが、あなたを絶え間なく教える、あなたの愛するイエス様を扱う方法なのか?」
「違います。すみません。」
「ではいいだろう。クレア、では人々に答えを出してみなさい。」
「テントウムシは地面を這いながら、小さな砂粒一つ一つと同じようなものを通して、極めて限られた方法で主の愛を経験します。しかし、それがカラスのくちばしに捕まると、見るべきもの全てを突然見ることになります。」
「正確だ!一人の魂が天国にのみ存在するとき、地上の堕落と罪を経験できないため、その魂は、自分が持っているものに感謝できない。しかし、その魂が罪深い人間のひどい闇に完全に征服され、天国に上がってその闇から抜け出すと、その魂がどれほど私の愛を受ける存在であるかという気づきが、あらゆる境界を超えて突然広がるのだ。そして彼らは、驚くべきいと高き祝福である私の存在と、彼らへの私の愛を経験することになる。さあ、これが私があなたたちに経験させたいことなのだ。どう思うか?」
「到底理解できず、頭がぼうっとしてしまいます。」
「私があなたに何と言ったか?あなたが天国に来るまでは、理解できないだろうと言わなかったか?」
「主よ、違います。まさに驚くべきことです!主が私に話される時、私は通常、主の考えをよく理解して、言葉にしています。しかし、この例では、私は全ての比喩的表現のために、完全に途方に暮れました。私は最後まで、その点を理解できませんでした。私には見ることができないけれど、ただ信頼するしかない『私を待っておられる主の両腕』に、思わずドキッとするような気持ちでした。」
「そう、私の思考方法は特別であり、私が向かう場所は、全くもってあなたの現実を越えるものなのだ。そのため、私は時々、あなたにこのような方法で話さなければならない。あなたが苦難の一部として経験することになる出来事、奇妙な生物について警告したことなどと同じように、なのだ。」
「そうです。それは私にとって難しいことでしたが、主はそうしてくださいました!主は本当に驚くべき神様です!」
「分かっている。」
(声を出して笑う)
「私は今夜、この世の知恵ではなく、いと高き所、天国の知恵を伝えることで、あなたを既に祝福した。私の知恵と恵みは、私が許したことと許さなかったこと、私が与えたものと与えなかったもの、私が取った後、決して返さなかったことについて、あなたたちが感謝できるようにしてくれる。良いことも悪いことも、その全てが何らかの目的に役立ったことを、あなたたちは知るだろう。」
「それで、本質的に、最も不当な扱いを受けた人たちが、最も深い主の愛を経験するのですね。」
「そうだ、私の愛する者よ。あなたは今、分かったのだな!多くを許された者たちは、多く愛するだろう。私の愛の広大さを知るだろう。闇に対する知識が多いほど、光に対する感謝は大きいものなのだ!さて、あなたたち全員を再び祝福する。これを理解するのに急がないでほしい。これを理解するのは、非常に深く、負担になるのだ。だが、今夜、私はあなたが耳を傾ける時理解できるようにする恵みを施した。」
「あなたがこの地で経験した悲しみと悲痛さが大きければ大きいほど、天国であなたはより感謝し、より高く、多くの祝福と喜びを永遠に経験するだろう!」